【2014/7/24更新】未上場ベンチャー企業時価総額ランキング【暫定版2013~2014】
記事も増えてきたので、2013年~2014年に資金調達したベンチャー企業の時価総額をランキングにしてみました。時期の揃ってない、流動性のない未上場企業の時価総額を比較することになんの意味があるのか、という突っ込みは置いておいて、随時更新で行きたいと思います。
ベンチャーキャピタルから調達したベンチャー企業は一定の成長性が期待されているとも見ることができますが、時価総額10億円を越えてくると、上場を見据えていると考えていいのではないでしょうか。
ベンチャー企業へ新卒入社を希望される方や、中途転職を希望される方にも参考になれば幸いです。
なお、時価総額はfully diluted basisで計算してます。
続きを読む【2013年9月】ウォンテッドリーの時価総額は19億円か??【ソーシャルリクルーティング】
ずっとWantedlyさんの資金調達が気になっていたので、調べてみました。
ちなみにumekiさんによると、サイバーエージェントさんが出資されてるそうな。
Gunosy木村新司氏の個人投資家としてのリターンは約50倍?【ファンド・リターンズ③】 | The Startup
公式リリースが出ていないながらに、業界では暗黙知的に知れ渡っていますが、サイバーエージェント本体から約2億投資を受けています。
Wantedly(ウォンテッドリー)増資まとめ
資金調達額2億円、ポスト時価総額19億円、普通株式、希薄化率11.7%
続きを読む
で、結局ベンチャーキャピタルってベンチャー企業のどこを見ているの?
新卒採用の面接みたいで、理不尽に感じることもあるベンチャーキャピタルとのミーティング。
言い尽くされた感はありますが、ベンチャーキャピタルは
「人」(チーム)
を見ています。
たいてい初回面談の冒頭5分で、
- お金をお預けしたい
- お金をお預けできない
の判断は終わっています。
もちろん後にこの判断が覆ることもありますが、少ないと思います。
この判断軸は経験則としか言いようのない部分だと思うのですが、
- 人として信頼できる
- この人に掛けてファンド満期までに結果が出なくても、そのときに振り返ってあの時の判断は間違いではなかった、ときっと思える
- たとえ失敗したとしても最後まで諦めずにやってくれた結果と信じられる
のような感覚は「事業以外」で最低限あると思います。
ここで、
- お金をお預けしたい
と思うと、次に
- 時価総額いくらだったら
を考えています。
2. お金をお預けできない
と判断した瞬間、株価の議論ではなくなっているのです。
という前提を踏まえた上で、ベンチャーキャピタルから出資を受ける上で気をつけたい点についてまとめました。初調達の方を想定しており、正解があるわけではないのですが、失敗の可能性は下がるのではと思います。
続きを読む
ベンチャーキャピタルはリスクをとっている?それとも目線が下がっている?
ちょっと前に日経に以下のような記事が出ており、ベンチャーキャピタル業界の方がコメントされているのをお見かけしました。
リスク引き受けるVC、日本では「大変保守的」? :日本経済新聞
ただし、海外には日本のVCを批判する向きもあります。ベンチャーキャピタルの略語は「VC」ですが、日本のそれは「Very Conservative」(大変保守的)か「Very Cowardly」(大変弱虫)だと言うのです。
この記事自体にコメントする気はないのですが、足元ではベンチャーキャピタルはリスクをとっている部分と目線が下がっている部分と両方感じます。
私は
リスクをとっている = 株価のリスクをとっている
目線が下がっている = お金をお預けすべきでない先に預けている
と捉えています。
一口にベンチャーキャピタルと言っても、ファンドごとに千差万別で、同一ファンド内でもベンチャーキャピタリストごとに色がかなり出るので、あまり’ベンチャーキャピタルとは’と一般的に申し上げにくいですが、以下感じるところを書いてみました。
続きを読むベンチャーキャピタル業界の現状について
前の記事で磯崎先生を持ち上げておいてなんなんですが、下記記事↓はポジショントークだと思います。
ベンチャーブームを支える3つのツール 【特別対談】郷治友孝×磯崎哲也(前篇)|起業のエクイティ・ファイナンス|ダイヤモンド・オンライン
種類株式推しはポジショントークに過ぎない
- 約束事(権利調整含め)を明文化する意味で投資契約書(及び株主間契約書)はベンチャー企業、ベンチャーキャピタル双方にとって不可欠
- 種類株式だから株価を高くしてもいい、とベンチャーキャピタルは言わない
- なぜなら株式譲渡時(M&A)は優先分配の対象外であり(現時点の会社法の理解では)、会社清算時(事業失敗)はそもそもほとんど回収見込みがなく優先分配は無意味
- もちろん株式譲渡以外の形態(事業譲渡、会社分割など)でのM&A時には優先分配が有効に機能する、ただしベンチャー企業のM&Aで株式譲渡以外が選択されることはごく稀
- 株式譲渡時の優先分配を実現するためには原則全株主の同意が必要(←間違えていたら教えてください。)
- 種類株式推しは、ガバナンス強化の意味合いが大きい (過去に起業家とそれだけのトラブルがあったのは事実)
「起業のファイナンス」は入門書として素晴らしい書籍と思いますが、磯崎さんご自身がベンチャーキャピタリストの立場を取るようになったため、ポジショントークの可能性も考慮してあたらなくてはならない、と思います。
(追記)gumi国光さんのつぶやきに共感したので、勝手に貼り付けておきます。
続きを読む国光 宏尚gumi 代表取締役日本からGoogleやFacebookのような企業が出ないのと優先株を結びつけるのは流石に強引すぎるw M&Aの数とは関係性はあるだろうけど。Googleなどが出ないのは国内でしか戦えないガラパゴスベンチャーが多いから。 優先株が増えるのは良いと思うけど、投資家のダウンサイドリスク軽減のためは理解できるけど、アップサイドでの優先条項は絶対に反対。起業家にも投資家にもフェアな環境を作っていくことが重要。
ファイナンスなんてコモディティだ
いや、すいません、あおるつもりは全然ないのですが、ベンチャー企業のファインナンス周りって、誰しも初めは経験がないのと、表に出てこないので分かりにくいだけで、VCから調達したり創業融資を借りたりは全然難しいものじゃないと感じています。むしろ、事業を大きくするよりははるかに簡単なはずです。
エクイティファイナンスは、事業を大きくするための1つの手段に過ぎず、株式を第三者に渡してその対価として出資(現金)を受け応援してもらう、それだけのことだと思います。
いや、何を当たり前のことを言っているんだ、と思われるでしょうが、難しく考える必要はない、ということを申し上げたいだけです。
結局資本政策に正解などなくて、物事の優先順位や選んだビジネスモデルによって、エクイティファイナンスという手段も選択肢としてある、というだけです。
インターネットで参入障壁とか競合優位性なんてほとんど意味がなくなったと思いますし、これだけVCがリスクをとるようになり資金調達がしやすくなる中で競合が資金調達してくる可能性を鑑みると、資金調達力は大きな競争力の源泉になる可能性もあると思います。特にメルカリの山田さんやGunosyの木村さんを見ていると感じます。(競争力は一義的に「人」であると思いますが)
ただし、外部資本を入れた時点で、もう自分だけの会社ではなく、たとえオーナシップを持っていたとしても、経営を預っているという感覚で臨む必要があるのは言うまでもないでしょう。
また、外部資本を受け入れた時点で、資本政策的に行き着く先が、IPOであれM&Aであれ違いはあまりないのではと思います。(違いがない、と言っているわけではないです。事業と会社の成長のために資本を有効に使う、という意味で同じということです。)
何が言いたいかというと、
「起業のファイナンス」はお勧め
⇒ただし、ファイナンスについて何が分からないか分からない状態の人に限る。基本的な考え方がある方には不要です。
以下のサイトで必要な部分は目を通すといいかも(随時追加)
- entrepedia - アントレペディア ⇒ 資金調達のニュースが網羅されています
- ベンチャー・ビジネスその他あらゆる企業に法務、特許、税務、会計、労務、その他の専門サービスをワン・ストップで提供するプロフェッショナル・グループです。|AZX Professionals Group ⇒ 便利な雛形拾えます
- creww(クルー) : スタートアップコミュニティ | creww ⇒ 投資家にコンタクトできるかも
-
isologue | [ isologue(イソログ)- by 磯崎哲也事務所] は、ネットやベンチャー、経済に関わることについてコメントするblogです。 ⇒ 10年間も続けられていて尊敬
*1:私は磯崎先生とは縁もゆかりも面識もございません。
【2014年5月】大型調達Sansanの時価総額はついに100億円超えか
規定路線だったのだと思いますが、Sansanさんから大型調達のリリースが出てましたので、調べてみました。
Sansan、総額14.6億円の第三者割当増資を実施 〜法人向け名刺管理・共有サービスを北米で提供開始〜 | お知らせ | NEWS | Sansan株式会社
Sansan増資まとめ
資金調達額14億円、ポスト時価総額102億円、優先株式、希薄化率16.7%
【前回記事】
【2013年4月】クラウド名刺管理のSansanの時価総額は45億円?? - インターネットヲチャーのブログ
続きを読む
いまのベンチャー業界はバブルか??
最近
「今のベンチャー業界はバブルか」
という記事をよく目にするので感じるところをまとめてみました。
前提として、
- 特に今年に入ってから、全体として株価の上昇は見られる
と認識しております。
(ご参考)
2013年 未公開ベンチャー企業の資金調達の状況 - entrepedia - アントレペディア
・未公開企業の資金調達額 2013年は増加に転じる。
・1社あたりの資金調達額(中央値)は5,000万円 前年の2,000万円から2.5倍に拡大。
・資金調達を行った企業数は前年より減少するが、2013年後半から資金調達額の大型化が顕著。
・シード、アーリー期の資金調達が活発。設立3年未満の社数割合は66%、調達額割合は43%。
・インターネットをビジネスモデルとする企業の割合は80%を超え、調達額も増大。
・2013年は海外で活躍する日本ベンチャー企業の資金調達が増加しているのが特徴。
・投資状況ではCVC、外資VCが健闘 上位30社中 CVC 7社、外資VC 6社。
これをもってバブルといえるか、wikiによると、
バブル経済であったか否か
「急激な資産価格の上昇=バブル経済」かのように表現されることもあるが、実体経済に合わせてソフトランディングした資産価格上昇はバブルではない。投機による下支えが不可能となり、バブル崩壊が起こって、初めてそれまでの経済がバブル経済であったということが分かる。
とのことなので、現在の株価上昇局面がソフトランディングするかどうか、
がバブルかどうかのポイントになるかと思います。
続きを読む
ベンチャーキャピタルから出資を受ける前に・・・
経営者とベンチャーキャピタル間のトラブルが昔からなくならないのは、VCのビジネスモデルに対する理解が不足していることも要因の1つとしてあるのではないか、と感じています。
ベンチャーキャピタルから出資を受ける前に、こういう意見もあるよと感じて頂けたら幸いです。
<出資を受ける前に・・・>