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で、結局ベンチャーキャピタルってベンチャー企業のどこを見ているの?


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新卒採用の面接みたいで、理不尽に感じることもあるベンチャーキャピタルとのミーティング。

 

言い尽くされた感はありますが、ベンチャーキャピタル

「人」(チーム)

を見ています。

 

たいてい初回面談の冒頭5分で、

  1. お金をお預けしたい
  2. お金をお預けできない

の判断は終わっています。

もちろん後にこの判断が覆ることもありますが、少ないと思います。

この判断軸は経験則としか言いようのない部分だと思うのですが、

  • 人として信頼できる
  • この人に掛けてファンド満期までに結果が出なくても、そのときに振り返ってあの時の判断は間違いではなかった、ときっと思える
  • たとえ失敗したとしても最後まで諦めずにやってくれた結果と信じられる

のような感覚は「事業以外」で最低限あると思います。

 

ここで、

  1. お金をお預けしたい

と思うと、次に

を考えています。

 

 2. お金をお預けできない

と判断した瞬間、株価の議論ではなくなっているのです。

という前提を踏まえた上で、ベンチャーキャピタルから出資を受ける上で気をつけたい点についてまとめました。初調達の方を想定しており、正解があるわけではないのですが、失敗の可能性は下がるのではと思います。

 

 

ベンチャーキャピタルとの初回面談に万全の準備をしよう

資金調達を検討するのであれば、ベンチャーキャピタルとの初回面談は非常に重要です。

初回面談は最長でも1時間程度ですが、事業説明だけで30分も使うのは絶対やめましょう

 

まともに事業を運営していれば、勝手にベンチャーキャピタルからコンタクトしてくる

ベンチャーキャピタリストは常に投資候補先を血眼になって探しているわけですから、普通に事業をやっていれば向こうから連絡してきます。もし連絡がなく、コンタクトが必要な場合は、誰かいけてる人の紹介で会いましょう。

 

事業説明は5~10分で終わらせよう

勘所を押さえたベンチャーキャピタリストであれば、事前にサービスやビジネスモデルについて仮説を持って面談に臨んでいるはずです。関心があるか分からないのに長々と説明をするのは時間の無駄です。あえて時間を割くなら、HPからは浮かび上がらない、

  • 自分自身を含めたメンバーの生い立ち
  • なぜその事業を行うのか

に絞りましょう。

事業説明は5~10分程度で済ませ、質問をどんどんさせることが重要です。起業家によっては、5分バージョンと30分バージョンなど複数のプレゼンを用意して、反応によって切り替えている場合もあります。

 

いいベンチャーキャピタリスト = 質問力が高い

ベンチャーキャピタリストに限らず、いい質問をする人は優秀です。どんな質問をされたかでベンチャーキャピタリストのレベルをはかりましょう。的外れな質問をされる方とのお付き合いはお奨めしません。

 

面談時間が短かかったからと言って落胆しない、むしろ逆の場合が多い

いい経営者との面談ほど短く終わる傾向があり、その逆もしかりです。よく面接で、雑談して帰ってきてなぜか合格した、という話も多いですが、ベンチャーキャピタルとの面談も同じです。

むしろ1時間を大幅に超える面談はプラスにはならないことが多いです。

 

NDAは意味がない、スピード重視

全く意味がないとは言わないですが、NDAを結ぼうが漏れるときは漏れますし、一部の特殊な企業を除いて、価値のある情報なんてベンチャー企業にはありません。そもそも信用できないと感じた時点で、そのベンチャーキャピタリストとの付き合いは即刻やめましょう。

 

ベンチャーキャピタルに期待するものがあればその場で伝えよう

具体的に資金調達を考えており、既に他のベンチャーキャピタルと会話をしている場合、何を期待するか明確に伝えることでその後が楽になります。例えば、いつまでに、どの位のバリュエーションで、どの位集めたいかは伝えましょう。そもそも検討の俎上に乗っていなければ、具体的な議論にならないでしょうし、条件面で呑めないところがあればその場でフィードバックがあるでしょう。

 

ベンチャーキャピタル向けのパッケージを用意しよう

初回面談を終えて前向きに検討してもらえるようだと、通常は定款、登記簿、試算表などの資料を求められます。ベンチャーキャピタルによっては、一部求める資料も違ったり、資料を見なかったりしますが、だいたい重複しているため、定款、登記簿、試算表、株主名簿、事業計画など一式数部パッケージして用意しておきましょう。資料提出を速やかにすることで心象がよくなるだけでなく、出資までの期間を短縮できる可能性があります。

 

 

ベンチャーキャピタルとの条件交渉に入ってからが長い

じゃあ出資を前向きに検討させてください、となってからが長いことが多いです。

 

3~6ヶ月はかかると考えておこう

ステージやベンチャーキャピタルによって大きく異なり、足元は期間短縮傾向にあると思いますが、最悪初回面談から3~6ヶ月はかかることを想定して臨みましょう。タームシートを合意してから、投資契約書のやり取りで1ヶ月以上かかるなんてことも起こり得ます。

 

ベンチャーキャピタルからタームシートを受け取ろう

出資を受けるのが初めてでファイナンスに明るくない場合は必ず書面で条件提示(タームシート)を受けましょう。分からなくて当たり前と開き直って、分からない部分はしつこく、何のための条項か、理解できるまで聞きましょう。この部分を怠ると、後々こんなはずじゃなかったということになりますし、説明を通してベンチャーキャピタリストの技量や投資感も見えてきます。

 

株価を上げたいならビットさせよう

賛否両論ありますし、複数ベンチャーキャピタルと同時並行で交渉すると時間も手間もかかりますが、株価を上げたいのであればベンチャーキャピタル同士を競い合わせるのも手です。

 

 

ベンチャーキャピタルから出資をうけるにあたって

投資をしたいと思ってくれれば、資料が揃わなくたって、条件面が折り合わなかったって、ベンチャーキャピタリストがなんとかしてくれます。

そういう意味では、上記はスムーズに進める上では役に立つかもしれませんが、本質的ではありません。

事業推進は「人」に他ならず、そのチームの中にベンチャーキャピタルという応援団もいるだけです。事業の立ち上げ時期には、ファイナンスについて特殊な知識は必要ありません。

100人会って断られるかもしれませんが、101人目は応援してくれるかもしれません。ベンチャーキャピタルの目利きが常に正しいわけではなく、せいぜい彼らの打率も3割です。

初期メンバー同様、今後数年間苦楽をともにできるベンチャーキャピタリストを探しましょう。

 

今後適宜修正、加筆するかもしれません。